ブロックエディタをどう捉えるか
WordPressのブロックエディタに対して、多くの人が複雑な印象を抱いている。従来のクラシックエディタから移行した際、操作感の違いに戸惑うのは自然な反応だ。
しかし、ブロックエディタは単なる「新しい入力ツール」ではない。コンテンツを構造的に捉え、視覚的な表現力を高める思考フレームワークとして理解すると、その価値が見えてくる。
WordPress ブロックエディタ 使い方の前提
ブロックエディタを効果的に活用するには、まず基本的な考え方を整理する必要がある。文章を「文字の集合」ではなく「意味のあるパーツの組み合わせ」として捉える視点が重要だ。
クラシックエディタとの発想の違い
クラシックエディタでは、テキストエリアに文字を流し込んでいく感覚で記事を作成していた。改行やスペースで見た目を調整し、HTMLタグで装飾を加える手法が一般的だった。
一方、ブロックエディタでは各要素が独立したブロックとして存在する。段落、見出し、画像、リストなど、それぞれが明確な役割を持った部品として機能する。
この違いを理解すると、「なぜブロックを選択する必要があるのか」「なぜ設定項目が多いのか」といった疑問が解消される。各ブロックが持つ機能と目的を把握することで、より効率的な記事作成が可能になる。
基本ブロックで記事を書く感覚
ブロックエディタの習得において、まず押さえるべきは基本的なブロックの使い分けだ。段落、見出し、リストの3つを使いこなせれば、大部分の記事は問題なく作成できる。
段落・見出し・リストの最小構成
段落ブロックは文章の基本単位として機能し、改行や文字装飾などの基本的な編集機能を提供する。見出しブロックはH2からH6までの階層構造を作り、記事の論理的な構成を明確にする役割を担う。
リストブロックは情報を整理して表示する際に威力を発揮する。以下のような場面で効果的に活用できる:
- 手順や工程を説明する場合
- メリットやデメリットを列挙する場合
- 重要なポイントを強調したい場合
- 比較項目を整理する場合
この3つのブロックを組み合わせるだけで、読みやすく構造化された記事を作成できる。複雑な機能に手を出す前に、これらの基本ブロックでの記事作成に慣れることが重要だ。

レイアウトをどこまで作り込むか
ブロックエディタには、カラムやグループなど、レイアウトを制御する高度な機能が用意されている。しかし、これらの機能をどの程度活用すべきかは、記事の目的や運営方針によって判断が分かれる。
カラムやグループを使う判断軸
カラムブロックは情報を横並びで表示する際に有効だが、モバイル表示での見やすさを考慮する必要がある。2カラム程度であれば問題ないが、3カラム以上になると小さな画面では読みにくくなる可能性がある。
グループブロックは関連する複数のブロックをまとめて管理する際に便利だ。背景色や余白の設定を一括で適用でき、デザインの統一感を保ちやすくなる。
レイアウト機能を使用する際の判断基準として、以下の点を考慮すると良い:
- 情報の理解しやすさが向上するか
- モバイルでの表示に問題がないか
- メンテナンスの手間が増えすぎないか
- テーマのデザインと調和するか
複雑なレイアウトは見た目の印象を向上させる一方で、コンテンツの更新や修正が煩雑になる側面もある。バランスを考えた運用が求められる。
再利用ブロックとパターンの考え方
ブロックエディタには、作成したブロックの組み合わせを保存して再利用する機能がある。再利用ブロックとパターンの使い分けを理解すると、記事作成の効率が大幅に向上する。
「部品化」する対象の見極め
再利用ブロックは、同じ内容を複数の記事で使い回したい場合に適している。お問い合わせフォームへの誘導や、定型的な注意書きなどが典型例だ。
パターンは、構造やレイアウトのテンプレートとして機能する。記事の冒頭部分や、商品紹介のフォーマットなど、内容は変わるが形式が決まっている部分に有効だ。
部品化する対象を選ぶ際のポイントは以下の通り:
- 複数回使用する可能性があるか
- 内容の更新頻度は適切か
- デザインの統一性が重要か
- 作成にかかる時間が短縮できるか
過度な部品化は管理コストを増加させるため、本当に必要な要素に絞って活用することが重要だ。
ブロックエディタと執筆リズム
ブロックエディタでの記事作成において、従来の執筆フローを見直す必要がある場合がある。文章を書く作業と、レイアウトを整える作業を明確に分離することで、より効率的な執筆が可能になる。
書くフェーズと整えるフェーズの分離
まず内容に集中して文章を書き上げ、その後でブロックの設定やレイアウトの調整を行うアプローチが効果的だ。最初から見た目を気にしすぎると、文章の流れや論理構成がおろそかになりがちだ。
執筆フローの例として、以下のような段階的なアプローチが考えられる:
- 第1段階:段落ブロックのみで全体の文章を作成
- 第2段階:見出しブロックで構造を明確化
- 第3段階:リストブロックで情報を整理
- 第4段階:画像や装飾要素を追加
- 第5段階:全体のレイアウトを最終調整
このように段階を分けることで、各フェーズに集中でき、結果的に品質の高い記事を効率的に作成できる。

SEOとブロック構造の関係を整理する
ブロックエディタで作成された記事は、HTMLの構造が明確になりやすい特徴がある。見出しの階層や段落の区切りが適切に設定されることで、検索エンジンにとって理解しやすいコンテンツになる。
特に見出しブロックの使い方は、SEO効果に直接影響する。H2、H3といった階層構造を論理的に組み立てることで、記事の内容が検索エンジンに正確に伝わる。
リストブロックも構造化データの観点から有効だ。箇条書きや番号付きリストは、情報の整理された状態を検索エンジンに示すシグナルとして機能する可能性がある。
テーマやプラグインとの境界線
ブロックエディタを使いこなすには、エディタの機能とテーマ・プラグインの機能の境界を理解することが重要だ。どこまでをエディタで対応し、どこからをコードやプラグインに委ねるかの判断が求められる。
エディタでやること・コードでやること
基本的な文章構成や画像配置は、ブロックエディタの標準機能で十分対応できる。一方で、複雑なデザインやインタラクティブな要素は、テーマのカスタマイズやプラグインの活用が適している。
エディタで対応すべき範囲として、以下が挙げられる:
- 文章の構成と見出し設定
- 基本的な画像配置と説明文
- リストや引用の設定
- 簡単な装飾と強調表示
コードやプラグインで対応すべき要素は、サイト全体のデザイン統一性や高度な機能実装に関わる部分だ。この境界線を明確にすることで、効率的なサイト運営が可能になる。
最後に
ブロックエディタとの付き合い方を整理すると、「完璧を目指さず、必要十分な機能を使いこなす」という姿勢が重要だと感じる。すべての機能を覚える必要はなく、自分の記事作成スタイルに合った使い方を見つけることが大切だ。
従来の執筆方法からの移行には時間がかかるかもしれないが、ブロック思考に慣れることで、より構造化された読みやすいコンテンツを作成できるようになる。焦らず段階的に習得していくことで、ブロックエディタは強力な執筆パートナーとなるはずだ。
【参照・引用元】
該当なし

